2016年7月31日~8月4日:AAPM 58th Annual meeting

米国医学物理学会(AAPM)で助教角谷先生、修士2年宮坂君が口頭発表、助手伊藤先生、博士3年新井君、博士2年勝田君がポスター発表しました。

■日時: 2016年7月31日~8月4日
■場所: Walter E. Washington Convention Center, Washington.D.C., USA
■学会: AAPM 58th Annual meeting

東北大学大学院放射線腫瘍学分野 
助教 角谷倫之

2016年7月31日~8月4日にアメリカのワシントンで開催された米国医学物理学会(AAPM)に、我々医学物理グループからは、角谷、伊藤、新井、勝田、宮坂の5名で参加致しました。また、共同研究グループであります本間先生の研究室からは、本間先生、ポスドクの市地さん、修士2年の内田君、修士1年の鈴木君の4名で参加し、東北大学からは合計9名で参加して、発表も合計7演題ありこれは日本からは1番か2番目に多い発表数かなと思います。

私は、「Multi-Institutional Validation Study of Commercially Available Deformable Image Registration Software for Thoracic Images」という内容で口頭発表しました。近年、DIRを搭載したソフトウェアが普及しはじめてきていますが、そのDIR精度がソフトウェアや使用方法によってどの程度変わるかについてははっきりとしたエビデンスがありません。そこで我々は国内の11施設の多施設共同試験を実施し、胸部領域での市販DIRソフトウェアのDIR精度のばらつきを初めて定量評価しました。結果はやはりDIRソフトウェア、DIRパラメータによってDIR精度が変化することを明らかにしました。この結果より、DIRソフトウェアを搭載した市販ソフトウェアを臨床利用する際は、各施設が部位ごとに最適なパラメータをコミッショニング時に探索する必要があると言えるかと思います。詳しい結果は、ちょうどIJROBPに掲載されましたのでそちらをご覧ください。学生の発表については、修士2年の宮坂君はoralでの発表となり、その発表に向けて自主的に週一回英語で話す授業も取り、また私とも英語での発表練習を精力的に何度も行いました。その成果が実り本番でも上手く発表でき、質問もきちんと答えられていましたので一安心しました。大変お疲れ様でした。
また、今年もAAPMでの発表以外にもいくつか発表があり、まず初日の夕方にMIMのuser meetingで上述しましたAAPMで発表する予定の多施設共同試験の結果とMIMに搭載されていますuser-guided DIR toolであるReg Refineを用いたstudyも追加で行いましたので、それについて20分ほど講演致しました。海外で学会以外での講演は初めてでしたのでだいぶ緊張しましたが無事終わることが出来ました。
今年もVarianとの研究打ち合わせが1時間ほどあり、昨年度から研究申請を行っていますマーカーレスMLC追尾照射がどの程度臨床的に有効であるかを4D planningを用いて評価するという研究について、ここ1年間での研究成果を15分ほどのプレゼンで説明し、本間先生のグループも同様に研究成果を発表しました。今回の発表を通して、現在申請中のgrantも無事採択されることを祈るばかりです。。
後、我々が積極的に臨床利用を進めています4D-CT ventilationについてもUC-Davisの山本先生、Sydney大学のDr. Kipritidisとも打ち合わせを行い、今後の共同研究の内容を具体的に決定しました。現在、米国ではこの4D-CT ventilationを用いた臨床試験がちょうど3つ動きはじめたようです(UC Davis, Colorado Univ, Wisconsin)。
今年のAAPM全体の印象としましては、Big dataの利用、つまりmachine learningやdeep learningなどの研究が注目されていた印象を受けました。AAPMに来て、他国の研究者との情報交換やAAPMでの発表を見ると、さらに今後の研究の活力が湧いてきて、引き続き臨床に役立つようなインパクトがある研究を行えるように努力していきたいと思いました。
あまり学術的ではないですが、初日に少し時間があったので会場から徒歩で15分くらいの所にホワイトハウスがありましたのでそこに伊藤君、宮坂君、私で行きました。そこですごい人だまりがありなんかデモでもやっているのかなと思いましたが、そこには“Pokémon GO”と書いた横断幕を持って多くの人が黄色服を着て集まっていました。ここでもポケモンGo人気はさすがだと思いました。
不在の間に医学物理業務をサポートして下さった医学物理メンバーの皆様ありがとうございました、この場を借りて御礼申し上げます。

集合写真

MIM user meetingの会場写真

ホワイトハウスの隣の建物での写真

©Division of Medical Physics, Department of Radiation Oncology, Tohoku University Graduate School of Medicine