国内外の放射線治療の医学物理の未来を担う、
“二歩先”を目指した臨床業務・研究に取り組む

国内外の臨床・研究型医学物理士の教育拠点を目指す

当学では2011年4月から医科学専攻の大学院である放射線腫瘍学分野と保健学専攻の大学院である放射線治療学分野の2分野からなる医学物理士養成コースがスタートしました。また、同時に東北大学病院における医学物理士の臨床業務が開始されました。また2013年10月には、医学物理士室も整備され、教員および大学院生が精力的に臨床・研究が行える環境が整いました。その後、医学物理グループは年々大きくなり、2023年現在、医学物理グループには、教員4名、技術補助員2名、大学院生18名(修士:6名、博士:12名)が在籍しています。これらのメンバーは日々臨床・研究を精力的に行っています。我々の医学物理グループでは、理工系・医療技術系出身学部にとらわれず、広く全国から志の高い学生を受け入れ、「Medical Physics」に基づく体系的な教育システムを組み、これからの放射線治療業界、医学物理業界を先導する優れた医学物理士、医学物理学研究者を組織的に養成しています。これまでの修了生のほとんどは、医学物理士とし全国の大学の教員(例えば山形大学助教、京都府立医科大学助教など)や医療施設(宮城県がんセンター・都立駒込病院など)に就職しています。また博士課程に社会人で進学する学生が多くなっています。教育面では修士課程の医学物理士試験合格率はこれまで約90%と高い合格率となっています(全国平均30%)。

次世代の放射線治療支援システム研究開発で世界をリードする

研究面でも多くの修士課程の大学院生は、年数回の国内学会発表と1回の国際学会発表を行っており、論文投稿も積極的に行っています。この12年間で修士課程の大学院生が採択された英語論文(筆頭演者)は13本であり、博士課程の大学院生では27本と放射線治療の医学物理研究で重要なエビデンスとなる研究を発表しています。特に、人工知能(AI)を含む高度な医用画像処理を用いた放射線治療支援システムの開発を精力的に行っており、非剛体レジストレーション、CTベース肺換気画像、AIベース自動計画、AIベースバーチャル患者QA、AIベース治療効果予測などの技術は国内外の特許や製品化による社会実装を行っています。このような恵まれた研究・教育環境下で、優秀なスタッフとともに、ぜひ“二歩先”を目指した研究に取り組み、当グループのビジョンである、“医学物理でがんを治す”を実現させましょう!

©Division of Medical Physics, Department of Radiation Oncology, Tohoku University Graduate School of Medicine