名前:新井一弘
修了年度:2014年度(修士)、2018年度(博士)
現在の所属先:東北大学病院
―修士課程(博士の人は博士)を終えた今だから伝えられる後輩へのメッセージ―
私は東北大学の保健学科を2012年に卒業し、大学院修士課程は同大学の医科学専攻の医学物理士養成コースに入学しました。その後、福島県の南東北病院に医学物理士として就職し、働きながら同大学の博士課程の放射線腫瘍学分野に入学しました。
私が修士課程に進学したいと思ったきっかけは、放射線治療に興味があり、将来は医学物理士として働きたかったからです。現在、医学物理士の資格を得るためには修士号は必須ですので、将来医学物理士を目指す方は大学院進学にチャレンジすることをお勧めします。
大学院では研究をするだけでなく、国内外の学会発表などを通して研究成果を発表する機会もあります。そこでは他の大学や病院の先生方との交流もできますし、いつも一緒に研究しているメンバーと一緒に国際学会などに発表に行くのは、研究室時代の良い思い出として残ります。また、東北大学の医学物理士養成コースでは医学物理士トレーニングを通じて、実際に医学物理士としての臨床トレーニングを受けることができるので、将来医学物理士になるにあたり、研究や臨床のどちらの面においても良い教育を受けられると思います。
―現在の仕事―
南東北病院(2012~2021年)
東北大学病院(2021年~)
大学院修士課程を卒業後は南東北病院に就職し、BNCT(ホウ素中性子捕捉療法)の立ち上げ業務やX線、陽子線治療の治療計画立案業務に従事しました。特にBNCTはまだ発展途上であったこともあり、実際に患者に治療できる状態にするまでには苦労しました。このような時にも大学院での研究を通して身に着けた力は、技術的や臨床的な問題を解決するためにも非常に役に立ったと思っています。その後は陽子線治療の計画業務やX線治療の固定具作成や治療計画、照射までの放射線治療の一連の業務を一通り経験しました。
そして2021年からは東北大学病院に就職し、X線治療の治療計画業務やQA、RALSなどに従事しています。東北大学病院ではMR-Linacを用いたMR画像誘導即時適応放射線治療など、最先端の治療も行っており日々新しいことを学びながら仕事をすることができています。