2017年11月17日~19日:第30回日本放射線腫瘍学会

第30回日本放射線腫瘍学会で、医学物理グループから、助教の角谷先生、博士4年の阿部さん、博士2年の中島さん、修士1年の梶川、佐藤、松本の合計5名が発表しました。

■日時: 2017年11月17日~19日
■場所: 大阪府 ナレッジキャピタル
■学会: 日本放射線腫瘍学会 第30回学術大会

東北大学大学院医学系研究科 放射線腫瘍学分野 医学物理士養成コース
修士課程1年 梶川智博

初めて報告させていただきます。本学会の最終日に携帯を無くしかけました修士課程1年の梶川智博です。

2017年11月17日~19日にナレッジキャピタル(大阪府)で開催された第30回日本放射線腫瘍学会(JASTRO)に、医学物理グループから、助教の角谷先生、博士4年の阿部さん、博士2年の中島さん、修士1年の梶川、佐藤、松本の合計5名が発表して参りましたので報告致します。

JASTRO設立当初より、放射線治療新規患者数は大きな伸びが確認されていました。一方、日米欧の放射線治療適用率較差(日本25% 欧米60-70%)は改善されておらず、この差を乗り越え質の高い放射線治療をどのように行うかが課題となっています。このような背景から今回の学会は、「放射線腫瘍学の役割拡大: ビッグデータ時代における挑戦(Challenge to Expand the Role of Radiation Oncology in the Era of Big Data)」というテーマで開催されました。

最新の放射線治療に関する多くの知見を得ることができ、非常に勉強になりました。特に印象に残っているのは、サポートベクターマシンを用いた生存期間予測に関する講演でした。これは神経膠腫患者の放射線治療後の生存期間を予測する研究でした。DVHと臨床情報に関する情報の両方から特徴量を抽出し予後予測をするというものです。両方の情報を組み合わせることで有意に予測精度が向上しており、様々な情報を組み合わせることが自分の研究テーマである深層学習にも役立つのではないかと感じました。

また、私は、「Preliminary study for auto radiotherapy planning method using convolutional neural network for IMRT prostate cancer patient」という内容でポスター発表をして参りました。人工知能を用いることで、更に高精度な放射線治療計画の自動化が可能ではないかと考えられます。その初期検討として、前立腺癌IMRTに対して深層学習を用いてプランの難易度が判別可能であるか報告するという内容です。深層学習の研究している先生方からお話を聞く機会を得ることも叶い、疑問に思っている点について相談することができ、とても有意義な時間となりました。深層学習に関しては、今回の学会でも報告がほとんどされていない新しい手法のため、今後も研究結果をこういった学会で発信していければと思います。

私と同期の修士1年の皆も初めての学会発表ですが、各々の研究成果について発表を行い、先生方とのディスカッションを活発に行っていました。

最後に、今回のJASTROでは今後の研究に向けた貴重な経験、知識を得ることができました。、今回の学会で得た知識を自分の研究、臨床現場に活かしていきたいと考えております。このような機会を与えてくださった皆様にこの場を借りて感謝申し上げます。ありがとうございました。

発表の様子

企業との打ち合わせの様子

©Division of Medical Physics, Department of Radiation Oncology, Tohoku University Graduate School of Medicine