2018年2月10日:第31回高精度放射線外部照射部会学術大会

大阪府立国際会議場で開催された第31回高精度放射線外部照射部会学術大会にて助教角谷先生、修士1年の佐藤さんが発表し、博士2年の中島さんが参加しました。

■日時: 2018年2月10日
■場所: 大阪府立国際会議場
■学会: 第31回高精度放射線外部照射部会学術大会

東北大学大学院放射線腫瘍学分野 医学物理士コース
修士課程1年 佐藤 慎哉

2018年2月10日に大阪府立国際会議場で開催された第31回高精度放射線外部照射部会学術大会に助教角谷先生と修士1年佐藤が口頭発表し、博士2年中島さんが参加して参りましたので報告させていただきます。

近年、放射線治療の発展に伴い、IMRT、定位放射線治療や粒子線治療などの高精度治療は大きな進歩を遂げています。その結果、治療成績が上がり、放射線治療の需要はますます伸びている。しかし技術ばかりが先行してしまい、これらの生物学的効果がどのようなものかの検討はあまり行われていない。そこで第31回高精度放射線外部照射部会学術大会では「医学物理と放射線生物の融合を目指して」というテーマで行われた。

本学会では放射線医療の特別講演として「未来予想図:AIシテル、ラディオミクス」が行われた。この講演では近年大きな注目を浴びているラディオミクス研究について著名な先生方が現状や問題点などを報告されており、自分の研究と重なる部分もあり、今後の研究を進める上でとても参考になる講演でした。講演では多くの議論が交わされ医療分野での注目度の高さを再確認することができた。

私は肺SBRT患者におけるCT-based Radiomicsを用いた予後予測の有用性に関する研究を行い、その研究成果を発表いたしました。ラディオミクスは画像から得られるラディオミック特徴量から、予後を予測することを目的としています。しかし、ラディオミック特徴量は、CT装置、撮影条件、ノイズ等の影響によって値が変化することが報告されており、研究者間で結果が様々である。そこで当院のデータを用いて解析を行うことで、より優れた予後予測プログラムを作成できる可能性がある。ラディオミクスの分野ではよりコンシステントで高精度な結果が求められるので、今後もこの研究を継続し、今後も様々な学会等で発表できればと思います。

また、私は角谷先生と中島さんが広島大学病院の先生と進めている研究ミーティングにも参加いたしました。研究成果を臨床に導入するために行わなくてはならない、普段の学習では学べないことを知ることができ、とても貴重な経験をすることができました。

最後になりましたが、今回の学会で得た知識を自分の研究、臨床現場に活かしていきたいと考えております。このような機会を与えてくださった皆様にこの場を借りて感謝申し上げます。ありがとうございました。

©Division of Medical Physics, Department of Radiation Oncology, Tohoku University Graduate School of Medicine