2019年4月26日:平成31年度 第1回東北大学放射線腫瘍学分野研究室セミナー

平成31年度東北大学放射線腫瘍学分野研究室セミナーを開催いたしました。多くの修士・博士課程の学生と先生方に参加していただきました。

■日時: 2019年4月26日
■場所: 東北大学星陵キャンパス臨床講義棟1階 第二ゼミナール室
■学会: 平成31年度第1階東北大学放射線腫瘍学分野研究室セミナー

東北大学大学院放射線腫瘍学分野
博士2年 池田龍太郎

元号も令和に変わる直前の2019年4月26日に東北大学星陵キャンパス内で平成最後となる平成31年度第1回東北大学放射線腫瘍学分野研究室セミナーを開催いたしましたので報告させていただきます。

本セミナーは普段あまり交流することの少ない一般学生と社会人学生の研究の情報交換を目的として開催されました。当日は、本研究室の修士・博士の学生が15人と先生方の4人の計19人が参加し、博士2年の自分と阿部幸太さん、博士3年の髙山佳樹さんの3人が発表を行いました。

博士2年の阿部さんは「MVCT-based radiomicsを用いた患者予後予測」というテーマで発表を行いました。Radiomicsと言われる臨床上で得られた放射線画像を様々な手法を用いて解析を行い、患者の予後と関連性の高い特徴を抽出して予後予測に用いる技術をMVのCBCT画像で行うという研究発表でした。Radiomicsは近年の放射線医療分野では今後の活躍が期待される研究であり、その最先端の研究報告を聞くことができました。
自分は、「Deformable image registrationにおけるCT撮影条件の影響」というテーマで発表を行いました。Deformable image registration(DIR)は放射線治療の分野で広く用いられている画像処理技術で、様々な目的に利用され商用のソフトウェアや検証用のファントムも複数販売されています。DIRは画像強度情報を利用して変形を行うという点に着目し、CTの撮影によって画質が変わることでDIRの精度も変わるのではないかという報告を行いました。
博士3年の髙山さんは放射線治療の分野にAIを利用する研究についての報告を行いました。AIは現在放射線治療の分野での活躍が期待され、様々な面から放射線治療の分野に対するアプローチが試みられています。髙山さんの報告ではAIを放射線治療に利用した論文の紹介を中心に行っていただきました。

本セミナーでは夕食をとりながら行われ、意見を交換しやすい雰囲気で活発な議論を交わすことができて研究室の学生や教員との距離が一層縮まったセミナーとなりました。次回以降のセミナーでも修士・博士の垣根を越えた交流を行い、より活発な研究活動に繋げていけたらと思います。

池田の報告の中で紹介したDIR検証用の可変形動体ファントム

夕食のスープカレーを食べながら活発な議論を交わしました。

中にはカレーよりも辛口な意見も出ました。

©Division of Medical Physics, Department of Radiation Oncology, Tohoku University Graduate School of Medicine