2024.9.20-22 第 10 回日韓医学物理学会学術合同大会 (JKMP10) 参加報告
第 10 回日韓医学物理学会学術合同大会に、医学物理グループから角谷倫之講師、星野大地、博士課程 2 年の Wingyi Lee, 小川柊太、加藤亮平、博士課程 1 年の田中真一、田中悠輝登、修士課程 1 年の張洲傑が参加しました。
- 日時: 2024 年 9 月 20ー22 日
- 場所: 名古屋国際会議場
- 名称: 第 10 回日韓医学物理学界学術合同大会 (The 10th Japan-Korea Joint Meeting on Medical Physics; JKMP10)
- 言語: 英語
放射線腫瘍学分野 博士課程 1 年 田中 真一
この学術会議は、日本医学物理学会と大韓民国医学物理学会 (Korean Society of Medical Physics) が共催したもので、第 128 回日本医学物理学会学術集会を兼ねています。開催地が名古屋であったためか、日本からの参加者が多かったものの、韓国からも多数の研究者・学生が参加しました。
私は「Prediction of Gleason Pattern of Prostate Cancer by Local Radiomics Approach」と題して口頭発表を行いました。これは MRI の画像に対する数値解析により前立腺癌の悪性度を評価する新しい手法を開発するものであり、私にとっては医学物理分野における初めての学会発表でした。研究の要点を取捨選択し 7 分間の発表にまとめましたが、残念ながら会場からは質問が出ませんでした。複雑な内容を聴衆にわかりやすく伝えるための表現の工夫が足りなかったと反省する次第です。ただ、発表終了後に 5 人の若手研究者・学生が関心を示し個人的に質問してくれたことは、大きな収穫であったと感じています。
今回の学術集会では 86 件の口頭発表と 116 件のポスター発表が行われました。その中には若手研究者や学生による独創的で興味深い研究も少なからずあり、細やかな議論を行うことができました。全体としては臨床に直結する内容の研究が多い中、重粒子線の微視的反応断面積の測定などの非常に基礎的な研究の発表もありました。このような自分と大きく異なる専門分野を扱う研究者と語りあえることも、医学物理学会の醍醐味であると思います。
ただ、少なからぬポスター発表者がいわゆる「貼り逃げ」を行っており、自分のポスターの前で説明することが義務付けられているcore time になっても姿を現さなかったことは遺憾でした。また core time が全体の中で 1 時間しか設けられていなかったため、ごく少数の発表者としか議論する時間がないことも惜しいと感じました。
そういった多少の不満はありましたが、同じ医学物理を志す研究者・学生仲間と意見交換・交流することができ、たいへん充実した時間を過ごすことができました。今後も、こうした国内外の仲間と共に切磋琢磨していく所存です。