2015年9月18日~9月20日:JSMP 110th Scientific meeting

第110回日本医学物理学会学術大会(JSMP)にて助教角谷先生がシンポジウムでの発表、助手の千葉さん、博士課程2年の新井、博士課程3年の阿部さんが口演発表を行いました。

■日時: 2015年9月18日~9月20日
■場所: The Alumni Hall “Frate”, Sapporo, Japan
■学会: JSMP 110th Scientific meeting

東北大学大学院放射線腫瘍学分野
博士課程2年 新井 一弘

2015年9月18日~9月20日に札幌市で開催された日本医学物理学会(JSMP)が開催され、我々医学物理グループからは、角谷、千葉、新井、阿部の4名で参加致しました。

私は、「Feasibility of CBCT-based proton dose calculation using the Histogram-matching method in proton beam therapy」という内容で口頭発表しました。治療期間中は腫瘍やリスク臓器の位置や体積の変化が起こるため、患者の状態を把握し適宜治療計画を修正する適応放射線治療を行うにあたり、CBCTを用いる試みが行われ始めています。しかし、計画用CTとCBCTでは画質やCT値が異なるためそのまま治療計画の線量計算に用いるのは好ましくない可能性があります。また、陽子線治療では飛程が存在するため、その影響をより多く受ける可能性があります。そこで本研究ではCBCTのCT値をヒストグラムマッチングにより修正して、修正CBCT(mCBCT)を作成し、陽子線治療の線量計算精度向上の検討を行いました。線量計算精度の検証には、計画CTおよびCBCT、mCBCTにおける深部線量分布、PTVおよびCTV、耳下腺の線量、γ解析結果の比較を行いました。CT値を修正することによりmCBCTではより計画CTに近い線量計算を行うことができ、陽子線治療における線量計算においても有用であることが示唆されました。CBCTを用いた線量計算に関する研究発表は私たちのグループ以外でも行っており、活発な議論もなされ、この分野の研究がホットな話題であることを実感しました。また、私の勤めている南東北病院で導入が進められているBNCTに関する発表もあり、大変勉強になりました。最後に、このような機会を与えて下さった皆様に感謝いたします。

©Division of Medical Physics, Department of Radiation Oncology, Tohoku University Graduate School of Medicine