2019年10月28日~30日 EPSM&AOCMP 2019

第19回AOCMPに医学物理グループから、助教の角谷先生、博士1年の松田匠平さん、修士2年の根本光さん、田中祥平さんが参加致しました。

■日時: 2019年10月28日~30日
■場所: Pan Pacific Perth, Perth, Australia
■学会: Engineering and Physical Sciences in Medicine Conference and Asia-Oceania Congress of Medical Physics 2019 (EPSM&AOCMP)

東北大学大学院 医学系研究科 放射線腫瘍学分野 医学物理士養成コース
修士2年 根本光

EPSMと同時開催された第19回AOCMPに医学物理グループから、助教の角谷先生、博士1年の松田さん、修士2年の田中さん、根本が参加し、口頭発表して参りましたので、報告させていただきます。

今年のAOCMPは、オーストラリアのパースにて開催されました。パースは年間を通して降水量が少なく、学会が開催された10月は南半球では春でしたので、過ごしやすい気候でした。学会では、アジア・オセアニア各国の専門家が参加し、私たちが参加したImage registrationのセッションでは、アジア、オーストラリアのRIRやDIRの専門家の方々とディスカッションや意見交換を行うことができました。
また、私は「Evaluation of 3D-printed heterogeneous anthropomorphic thorax phantom for patient-specific quality assurance in intensity-modulated radiation therapy」というタイトルで口頭発表して参りました。近年、食道がんに対する放射線治療では、心臓の晚期障害が注目されています。そこで私たちのグループでは、心筋へ照射される線量を低減させることで、造影MRIで見られる造影遅延つまり心筋繊維症の発生を低下させ、心筋に発生する有害事象の発生も低下させることができるのではないかと考えました。従来の3D CRTを用いた照射法に対してVMATを使用して心筋線量を低下させたFunctional planによって治療を行い、心臓障害の発生を前向きに検討します。しかし、心筋は拍動により照射中も動くため、Interplay effectによって、正しく心筋の線量を低下できていない可能性があります。したがってFunctional planは、心臓の動きと、患者の解剖学的な構造を再現したファントムを用いて検証する必要があります。今回は、その初期検討として、3Dプリンタを用いて、患者胸部の解剖学的な構造を正確に再現することができるかを検討し、発表させていただきました。3Dプリンタや、線量検証の専門家の方々からいただいた質問は今後、研究を進める上で参考にしていきたいと思います。
海外での発表は今回が3回目でしたが、まだまだ至らぬ点があることの気づくことができる大変貴重な機会となりました。今後も、研究を継続して行い、学会発表や論文投稿を通じて自分の研究に対するスキルを向上させていきたいと思っております。
学会会場の近くでは、オーストラリア特有の動物や、パースの街の夜景を見ることができました。特に「キングスパーク」からの夜景は素晴らしかったです。
海外での発表という大変貴重な機会を与えてくださった先生方、日々、研究を指導してくださる先生方や研究室の皆様、この場を借りて心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

Image registrationの専門家とのディスカッションの様子

学会後に訪れた公園にて

キングスパークからの夜景

©Division of Medical Physics, Department of Radiation Oncology, Tohoku University Graduate School of Medicine