2019年9月15日~19日:ASTRO2019

2019年9月15日から19日までアメリカ合衆国のシカゴで開催された61th ASTRO Annual Meetingに博士課程3年宮坂が参加致しました。

■日時: 2019年9月15日~19日
■場所: McCormick Place West, Chicago, IL,USA
■学会: 61th ASTRO Annual Meeting

東北大学大学院医学系研究科 放射線腫瘍学分野
博士課程3年 宮坂友侑也

2019年9月15日~19日までアメリカ合衆国シカゴで開催された61th ASTRO Annual Meetingに博士課程3年宮坂が参加して参りましたのでご報告いたします。今回は博士課程で取り組ませていただいておりましす”Clinical impact of estimation rectal toxicity using deformable image registration for cervical cancer patients”という演題でPoster Q&A sessionにて発表させていただきました。現在まで非常に広く普及してきたDIRですが、その臨床的有用性を証明した論文は非常に少なく、このことがDIRの臨床へのさらなる応用の障害となっております。今回発表した研究では子宮頸がんにおける外部照射と腔内照射の線量合算においてDIRを用いた手法を従来までの手法とを直接比較しその臨床的有用性を検証いたしました。近年ASTROにおいてはPoster sessionにおいても5分程度の英語でのpresentationがあり、しっかり練習をして臨む必要がありました。本番では練習のかいもあり何とか無事presentationを終えることができ、海外での発表の良い経験をさせていただくことができました。この経験を経ることでさらに研究を発展させ世界へ発信していきたいというモチベーションも得ることができました。

学会全体の特にPhysics分門ではAI、MRI Linac、FLASH therapy、が重要なトピックとされていました。AIについては新しい特別なものとして扱われているというよりは何らかの目的のための1つのアルゴリズムのような扱いへと変わっていっている印象で、医学物理士としては一般的な教養として当たり前に知っておかなければならないものとなりつつあると感じました。MRI Linacについては臨床利用を開始する施設が着実に増えていることが伺えその実際が紹介されていました。実際の治療現場においてはon-line adaptive therapyをしようとすると1回の治療で1時間程度の時間は未だに要しているとの報告がありました。それぞれのプロセスにおいて様々な技術を応用することによる時間短縮はまだまだ改善の余地ありと感じました。FLASH therapyは従来の10~100倍以上超高線量率治療でありこれにより有害事象を従来から30%も一気に減少させながら腫瘍の制御もこれまで同様という夢のような技術です。陽子線、もしくはLinacベースの電子線で照射可能な装置について開発が進められていることが紹介されておりました。まだまだ私もそのメカニズムについて理解の追い付いていないところもありましたので学会で紹介されていた論文などから勉強していきたいと思います。

学会の合間には少し観光もでき、大都市シカゴを堪能することができました。特にウィリスタワーから見下ろすシカゴの街並みは圧巻でした。

発表にあたりまして様々にご支援いただきました皆様に心より御礼申し上げます。

左:学会会場のMcCormick Place West  右:学会のメイン会場

左:ポスター発表会場での様子  右:ウィリタワーから見下ろすシカゴの街並み

©Division of Medical Physics, Department of Radiation Oncology, Tohoku University Graduate School of Medicine