2021年4月15日~18日:第121回日本医学物理学会学術大会

第121回日本医学物理学会学術大会(JSMP)で、修士2年の梅田、毛利が口頭発表しました。

■日時: 2021年4月15日~18日
■場所: パシフィコ横浜
■学会: 第121回日本医学物理学会学術大会

東北大学大学院放射線腫瘍学分野
修士課程2年 梅田真梨子

第121回日本医学物理学会学術大会で放射線腫瘍学分野修士2年の梅田と毛利が口頭発表しましたので、報告いたします。なお、新型コロナウイルス感染拡大の影響により学生が会場に赴き発表することは叶わず、動画スライドを事前提出しての発表となりました。

今大会は「先人たちの功績とその先へ Milestones and Beyond」というテーマで、日本医学放射線学会(JRS)の第80回総会、日本放射線技術学会(JSRT)の第77回総会学術大会、および日本画像医療システム工業会(JIRA)の国際医用画像総合展(ITEM2021)と合同開催されました。また、4月15日から18日までのパシフィコ横浜での現地開催に加え、4月28日から6月3日までWEB開催されました。

私は、JSMPで「グラフ理論を利用した新たなRadiomics特徴量による予後予測手法の開発」(英語:「Development of prognostic prediction method with the novel radiomic feature based on graph theory」)というテーマで発表いたしました。患者の予後を予測する手段の1つに、医用画像から特徴量を抽出することで予後予測をおこなうRadiomicsがあります。現在、多くの報告では腫瘍の大きさや画像上の画素値の分布、不均一性などを示す指標が特徴量として使用されております。我々は新たなアプローチとして、グラフ理論と呼ばれる数学的概念を利用した特徴量を開発しました。今回の解析ではグラフ理論を使った特徴量と従来法で求められる特徴量の予後予測精度を比較し、グラフ理論を使った特徴量が患者の予後予測に有用であるかどうかを評価しました。今回の結果では従来法と比べ予後予測精度は向上しておりましたが、臨床導入を検討するには更なる予測精度向上が必要であり、改善すべき点が数多くあると感じました。

大会では他にもRadiomics関連の発表がされており、患者の予後予測だけではなく線量分布評価や放射線治療後の肺臓炎の予測にRadiomicsを応用した報告もおこなわれておりました。いずれの報告も私の研究とは異なるアプローチや手法を使用しており、考え方など非常に参考になりました。

最後に、今回の発表を経て得た経験や知識を今後の研究や学会発表に活かしていきたいと考えております。ご指導いただいている先生方はじめ、発表の機会を与えてくださった皆様にこの場を借りて御礼申し上げます。

修士2年 梅田の発表  (グラフ理論をRadiomicsに応用)

修士2年 毛利の発表  (研究のワークフロー)

©Division of Medical Physics, Department of Radiation Oncology, Tohoku University Graduate School of Medicine