名前:家子義朗
修了年度:2017年度(修士)
現在の所属先:岩手医科大学 放射線腫瘍学科

―修士課程(博士の人は博士)を終えた今だから伝えられる後輩へのメッセージ―

医学物理士って何か面白そうという感じで当研究室に進学しました。当研究室では放射線治療に関して非常に幅広く研究活動をしていますが、それぞれの研究チーム間で壁を作らず、有益な情報は積極的に研究室全体で共有しながら、効率良く研究できたことが非常に良い環境だなと感じました。私は4次元CTに基づく肺機能画像に関する研究において、国内外の学会で発表し、修士課程修了後ですが賞もいただきました(土井賞、アジア-オセアニア医学物理学会連合最優秀論文賞)。このような成果を残せたのは、先生方や研究室の仲間の助けは勿論、研究ノウハウを代々伝承していただいた先輩方のお陰でもあり、大変感謝しています。でも正直、大学院では、慣れない英語論文を読んだり、プログラミングを覚えたり、学会発表の準備や発表・質疑応答練習をしたり、英語論文を書いたりと、大変だった思い出も沢山あります…(笑)。しかし、何事もそうですが、挑戦することには必ず苦労は伴うかと思います。大変な時もあるかと思いますが、人生無駄なしで頑張った分は今後の自分に返ってくると思いますので、できないことや苦手なことばかりに目を向けず、時には気楽に、周囲の助けも借りながら、自分の成長に繋がりそうなことは何事も一生懸命頑張ってみるのが良いかなと思います。後輩の皆様を応援しています!

―現在の仕事―

現在は、岩手医科大学放射線腫瘍学科に在籍し、教員(医学物理士)として勤務しております。業務では主に高精度放射線治療の治療計画を行っており、それに加え関連病院に診療応援を行っています。その他、国内外の臨床試験にも携わっております。放射線治療は日進月歩で新しい治療戦略や治療技術が報告されるため、常に情報をアップデートする必要があります。今やっている方法が本当に正しいのか?時代遅れになっていないか?を常に問い続け、行動することが求められます。そこで非常に役に立つのが大学院で培った研究能力(input/output)だと感じています。研究において関連論文を調べ、研究方針を考え解析し、その結果を整理して報告するのと同様に、臨床でも日本語の文献だけではなく海外の学術論文やガイドラインからも最新の情報を収集・整理して、必要であれば実際に検証を行い、院内に発信することでより良い診療に繋げていく、ということが医学物理士に求められているのかなと思います。

研究に関しては、自分自身の研究の他に、共同研究も盛んに行っています。放射線治療科だけではなく、他科(放射線診断科・泌尿器科・外科・肝臓内科など)の先生方とも研究を行い、大学院で培ったスキルを活かして、診療科の垣根を越えて研究活動に貢献できていることにやりがいや喜びを感じています。今後も診療や研究を通じて様々なことに挑戦し、医学物理士の活躍の場を広げていけたらと思います。

©Division of Medical Physics, Department of Radiation Oncology, Tohoku University Graduate School of Medicine