名前:齋藤正英
修了年度:2015年度(修士課程)                     
現在の所属先:山梨大学医学部放射線医学講座

―多くの経験ができる全国トップクラスの医学物理研究室―

将来、医学物理士として病院で勤務することを目指して角谷先生の研究室に入りました。入った当初は何か特定の研究に興味があるわけではなかったのですが、研究室特有の“フロンティア精神”の中で徐々に様々なことに興味を持ち始め、これまで知らなかった解析手法や考え方、論文執筆法など、現在の私の基盤となる考え方を学ぶことができました。時には角谷先生から謎の雑用を依頼され疲弊したこともありましたが、良い社会経験ができたとポジティブに捉え、今では良き思い出になっています。ただ時代は変化しておりますので、ほどほどにしていただければと思います(笑)。在学中は毎日が非常に充実しておりましたが、後悔している点としては、自身の研究に没頭するだけではなく同期や先輩/後輩、海外の研究者を巻き込んだより多くの研究に携われればよかったなと思っていますので、これから在籍する皆さんはぜひ自ら積極的に多くの研究に携わっていただければよいかなと思っています。

研究を実施する環境とそこで出会う人たちとの関係性は非常に重要で、今後の人生を大きく左右すると思います。東北大学角谷研究室は最先端の研究を実施できるうえに、縦・横のつながりも盤石な全国トップクラスの医学物理研究室です。これをご覧いただいている皆さんも、ぜひ東北大学角谷研究室経由で医学物理の世界に足を踏み入れていただき、我々と一緒に日本の医学物理業界を盛り上げていきませんか。

―現在の仕事―

大学院修士課程修了後、すぐに山梨大学に赴任しました。当時、山梨大学(というより山梨県内)には専従の医学物理士が1人もおらず、手探りの状況でゼロから環境を構築しました。経験がない状況で非常に不安ではありましたが、山梨大学放射線科の大西教授をはじめとした周りの医師・技師の温かいご支援のもと、医学物理士としての高精度放射線治療計画業務や品質管理項目の設定など、様々なルーチンワークを確立させました。特にVMATを山梨県で初めて実施した時は身が震える思いでした。

普段は高精度放射線治療計画の立案等の臨床医学物理業務の傍ら、医学生の教育や研究に従事しております。また、縁あって各種ガイドラインの作成や診療報酬関係の仕事もさせていただくことが多く、これらでお世話になっている先生方は、いずれも東北大学在学時にお世話になった方々ばかりです。また山梨大学は関連病院も多く、山梨県、静岡県内の放射線治療施設に品質管理や治療計画の立案補助にも伺うことがあります。地域の放射線治療の均てん化に大きく寄与できることも、大学病院に在籍する医学物理士としての仕事の魅力のひとつです。働く施設、地域によって医学物理士としての役割は異なると思いますが、やりがいがある仕事であることは共通していると思います。現場のニーズを満たし、他職種から頼られる存在になれるようにこれからも日々精進していければと考えております。

©Division of Medical Physics, Department of Radiation Oncology, Tohoku University Graduate School of Medicine