名前:梅田真梨子
修了年度:2021年度修士修了
現在の所属先:埼玉医科大学総合医療センター放射線腫瘍科

修士課程(博士の人は博士)を終えた今だから伝えられる後輩へのメッセージ―

私は大学学部時代の臨床実習で医学物理士の方々の仕事ぶりを見て、私もこの業界で働きたい!と思い今の道に進むことになります。どこの研究室に進むか?と悩んでいた時に、当研究室の「学生のおこなう研究が臨床に直結している」という点に衝撃を覚えました。この環境に身を置いて自分を鍛えたい、と非常に興味が沸きました。

進学後は角谷先生にビシバシ指導していただき、基礎的な知識も何もない私でしたので、一から指導いただけたことは非常にありがたく感じております。残念なことに私の在籍していた時期はコロナ禍真っ只中でほとんどの学会がオンライン開催でした。その情勢下でも国内外問わず学会発表の機会に恵まれていましたし、自分が進めていた研究で特許出願をするなど、当研究室に進学しなければ間違いなく得られなかった密度の濃い2年間を過ごせたと実感しています。それもひとえに角谷先生はじめ物理士の先生方のご指導や、同期、先輩や後輩の支えあってのものでした。昼夜問わず研究の相談に乗ってくれた同期や先輩方にはとても感謝していますし、そのような繋がりが得られるのも研究室に属するということの特徴だと思います。

今思えば、修士の頃は自分のために時間を使える就職前最後の時間だったと思います。今いる後輩やこれから進学される皆様は修士時代を思う存分有効利用してください。

―現在の仕事―

私は現在、埼玉県にある埼玉医科大学総合医療センターに勤務しています。主な業務内容はIMRT・IGBTの計画作成、放射線治療機器の品質管理等の医学物理士業務です。医局に属する大学教員として採用されていますので、学生の講義や大学院生への研究指導に携わったりもしています。また週1回、他院でIMRTの計画作成等もおこなっています。

日本の医学物理士は放射線治療に従事する方が多く、新たな治療機器・技術を導入するという時には中核となって周囲を引っ張っていくことが多いと思います。それ故か、つい最近まで私はIGBTの立ち上げ作業をおこなっていました。今年、当院の小線源治療室に同室CTが導入されましたが、それまでCTベースで治療をおこなったことは1度もなく、経験のあるスタッフもほとんどいない状況でした。そのなかで小線源治療装置・計画装置のコミッショニングや当院の精度管理指針の作成等IGBT関連のことを一挙に任されることとなりました。私がやっていいのか?と内心思っていましたが、修士時代に東北大学病院でIGBTの計画作成等を経験させてもらえたことが非常に役に立ち無事に立ち上げを終えることができました。このように医学物理士の仕事はルーチンワークだけではありません。自分で自分の仕事に刺激をもたらすことができるのは医学物理士の特徴なのかもしれないと感じています。没入すれば没入するほど医学物理の業界は面白い業界ですので、飛び込んでくれる方々をお待ちしています。

©Division of Medical Physics, Department of Radiation Oncology, Tohoku University Graduate School of Medicine